今週は夏休みだ。習い事も休みにした。主婦の仕事はあるけれど、外に出かける予定がないだけでとても気楽だ。……で、のんびりと塗り絵。細い筆でアクリル絵の具をちまちまと塗っている。
だったら絵を描けばいいようなものだが、絵心がない。その代わりといってはなんだけど、指示通りに細かい作業をするのは得意なのだ。とても一週間じゃ出来上がりそうにないけれど、何かに没頭するのは楽しい。絵筆を持つのも久しぶりだ。
他には小説を読んでいる。夏なので何年かぶりにハイラインの「夏への扉」を。忘れていたけれど、主人公が冷凍睡眠(コールドスリープ)に入って行きたいのは西暦2000年(!)だった。1960年代の古い小説だからさもありなんだが、どの年に行ったって、いいこともあれば良くないこともあるのよね…。
その前に読んだのは西加奈子の「サラバ!」だった。歪な家族間の話がメインで、kindleで上中下巻の合本を買ってしまったことを一時は後悔しかけたけれど、上巻の終わり頃から面白くなった。後半に何度か「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけない」という台詞が出て来るのだが、その一言が折に触れて思い出される。
11番の色を塗りながら、5番の色を塗りながら、25番を塗りながら…「私が信じるものを誰かに決めさせてはいけない」と。
私が信じるものってなにかっていえば、私だよなぁ……。例えば、ちまちまと指示通りに色を塗っている、私。