食いしばり

マーガレットメリル2号

ベートーベンさんは手強い。お気に入りだったショパンさんからはしばらく離れることにして、「ソナタ テンペスト第3楽章」を開いたけれど、フォルテシモとピアニシモを極端に行き来して情緒が安定していないというかなんというか、ああ、性格的に合わないのかもしれない。始めのうち、弾いていると妙に疲れた。でも暗譜した。ここまでが攻略。これからが音楽だと思う。

とにかく気分がいいので(というか疲れたので)一休み。叩くキーボードを替えたところ。


私には歯を食いしばる癖がある。歯軋りはしていないらしいが、寝ているときの食いしばりは顕著で、そのせいで常に肩が凝ったり顎が疲れていたりする。ピアノを弾いているときにも食いしばってしまうことがあるから、意識して歯を離すようにしている。

娘もそうで、彼女は早くからナイトガード(マウスピース)を作ってもらって使っている。…というか、彼女の件があって私も自分の癖に気づいたようなものだ。だから私もそのうちにナイトガードをと思いながら、なんとかその「癖」そのものを治したいと思ってきた。…が、その前に歯の方が負けた。固い物を噛んだ瞬間に激痛が走り、治療済みの奥歯が裂けてしまったのだ。

というわけで、とうとう一本、歯を失ってしまった。食いしばり以外には歯に悩んだこともなく、ずっと自分の歯を使い続けるつもりでいたのでこれは思った以上にショックだった。急に年を取った気分だ。抜いた部分が落ち着いたら、ブリッジにするかインプラントにするか…というところ。そうしたら今度こそ、ナイトガードを作ってもらおう。(もっと早く作るべきだったんだ)

今や、ちょっとした肩こりなんかデフォルトで、気にもしない。ストレスからだと言われたって何がストレスなんだかわからない(と思い込んでいる)。そんな風に何でも慣れてしまうより、もっとうまく自分を騙せるようになりたい。

「おまじない」とか、鍼とかなにかで寝るときに食いしばりをしなくなったら、どれだけ快適なんだろう。

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sakurai
書かなければ忘れてしまうようなことを書き、次の日には書いたことを忘れています。1960年代生まれ。♀。肩書不定。ただの「私」でありたいんだと青臭いことを言っても、読んだらわかるただの主婦。