全力が足りない

 サイトを引っ越すといいつつ引っ越さないまま一週間。予定では両方に同じ記事を載せつつ微調整していくはずだったのだけど、書きたいこともなければ時間もなかった。毎日のように書いていた時はいったい何をどう書いていたんだろうと過去ログを覗いたら、結構、短めにちゃちゃっと書いていた。どれも尻切れトンボのように終わっていて、自分で読んでも意味が通らないような雑なものばかりで恥ずかしい限り。……と書いているこの文章だって明日には恥ずかしくなるに違いないんだけど。

 先日、娘の高校時代の親友が出るミュージカルのオンライン配信を観た。舞台を観るのは、それもミュージカルを観るのは久しぶりだった。それで改めて気づいたのは、私は、カーテンコールが好きなんだということ。お話が終わって幕が下りる。それでも拍手は鳴り止まず、しばらくすると幕が上がって、もう一度袖から演者が次々に出てきて思い思いに頭を下げる。最後に主役が出てきて大袈裟なポーズで挨拶をして、全員がさーっと袖にはける。そうして空になった舞台に、また演者が代わる代わる現れて頭を下げたり手を振ったり互いを讃えたり…を、様々なパターンで繰り返すのだ。役の衣装で、役のままに現れるけど、ほんの少しだけ素の部分が見え隠れするのがいい。演じ終えた安堵感と、感謝の気持ちが溢れる笑顔。いつまでも拍手をしていたいなーと思える時間だ。

 そうそう、オンラインといえば、オードリーの若林さんと南海キャンディーズの山里さんのユニットによる「明日のたりないふたり」も観た。このライブをもってユニットは解散ということで、最後には主題歌を歌うCreepy Nutsも客席にいて、DJをしながら松永さんも泣いているし、若林さんも涙ぐんでいたし、後日談をラジオで聞いたけれど、若林さんは終演後に袖で倒れて救急車で運ばれたそうだ。なんだろうなぁ…そんなふうに全力でやり切れることが羨ましい。私なんか子供の頃の徒競走だって全力を出した覚えがない。いや、いつも「あれは全力じゃないから1位になれなかったんだ」と思いたいだけかな……。

sakurai
書かなければ忘れてしまうようなことを書き、次の日には書いたことを忘れています。1960年代生まれ。♀。肩書不定。ただの「私」でありたいんだと青臭いことを言っても、読んだらわかるただの主婦。