二重の三日月

昨夜、+1.00の老眼鏡をかけたままカーテンを閉めようと外を見たら、薄い三日月が二つに見えた。ちょっと傾いだ二重カッコ閉じ ))。閉じてまた閉じる。

辻仁成原作の映画「サヨナライツカ」の終盤に、何十年ぶりかで再会した男女がレストランで食事をする際、メニューを見ようと二人共が老眼鏡を取り出して掛ける…というシーンがあった。かつての情熱の日々からそれだけの月日が流れたという切なさと、だから今は静かに向き合えるという穏やかさ。老眼鏡をかけて照れ臭そうに微笑み合うふたりを見て、ああ、歳をとるのもいいなと私にも思えた、それが最初だったかもしれない。

因みに私はまだメガネをかけなくてもメニューが読める。雰囲気のいい薄暗いレストランで、細かくて優雅な字体のメニューだったら難しいかもしれないけれど、そもそも老眼鏡を持ち歩いてもいないので、「歳を取るのもいいな」的な胸キュンはもう少し先になるんだろうな・・・っていうか、それ以前の問題だよ。

今日はときどき雷も鳴る雨模様。月も見えない。

恐れていた9月になってしまった。カレンダーには予定がたくさん書き込まれている。とはいえ、その日その日を丁寧にクリアしていけばなんとかなるのだ。何かを継続的に努力しなければならないわけではないから、空いた時間にはピアノの練習も絵の具塗り絵もできる。そう考えて気分を立て直している。

このところの継続的な心配事のせいか、寝不足だし、腸の調子が悪い。犬がいて冷房を切れないので、腰のあたりに小さなカイロを貼った。

9月のスタートはそんな感じ。

sakurai
書かなければ忘れてしまうようなことを書き、次の日には書いたことを忘れています。1960年代生まれ。♀。肩書不定。ただの「私」でありたいんだと青臭いことを言っても、読んだらわかるただの主婦。