そういう人

いつかの日記に書いた「疑ってしまった」人の後日談です。

次の月(つまり今月)のサークルの日、Aさんが新しいメンバーのひとりになったことを知った。ひょっとしたら口だけではないかと私が疑ってしまったあの人は、本当にメンバーの発表を褒めてくれていたし、本当に活動を気に入って、参加してくれることになったのだ。だから私の直感は間違っていた。なんという嬉しいことだろう。Aさんはただ、「そう見えてしまった人」だけだったのだ。

ただ、Aさんは大幅な遅刻をした。始まって30分以上も経って来なければ、「やっぱり来ないのかな?」と思うのが人情である。実際、今まで大きな遅刻をする人には出会ったことがない。たかが趣味の集まりだから遅れたって問題はないけれど、基礎部分の練習をすっ飛ばされるのは…いや、まあ、それもどうだっていいんだろうな、私の問題だ。いずれAさんが困るかもしれないし困らないかもしれない。

サークルの皆さんは、体験会の日にも遅刻をしたAさんだから「やっぱりねー」という感じで、どちらかといえばニコニコ待っている。優しい人の集まりである。この会は「私の教室」ではなく、「彼らのサークル」だ。私は雇われトレーナー。だから、みんながよければよいでよいんだろう。

Aさんはお仕事の時間が遅いので、朝は弱いらしい。だから次回も10時には間に合わないかもと、本人を含め誰もが思っている。Aさんはもう「そういう人」としてみんなに受け入れられている。そういう人っているよね。「そういう」の部分が誇れるものじゃなくても、そういう人のままでいて、そういう人のままを受け入れてもらえる。(そしてきっと「そういう」を上回る美徳がある)

一方で私は「そういう人」じゃないふりを全力でしたくなる。「そういう人」認定されたくなくて、絶対に○○するまいと思い、それに失敗すると凹む。相手がどう思うかは操作できないんだから、頑張ったって私はそういう人以上でも以下でも、ないのに。

sakurai
書かなければ忘れてしまうようなことを書き、次の日には書いたことを忘れています。1960年代生まれ。♀。肩書不定。ただの「私」でありたいんだと青臭いことを言っても、読んだらわかるただの主婦。