息を吸うように真実を飲み込む(そんな言葉はない)

お天気が心配だった1日。雪景色は見ることなく帰ってきた。ホームの屋根にはシャラシャラと音を立てて凍りかけの雨が降っていた。

前々回に書いた話題、長年在籍していた教室を辞めたAさんのことを、他でもないBさんから聞いた。「あの方、辞めちゃったのよー」と。 ああ、その話来たかー…と身構えた。

他から聞いて知っていると言ってしまうか(これが真実)、すっとぼけて「え? どうしてですか?!」と訊くか(そうすれば、Bさんの考えが聞ける)…。ちょっと迷ったけど、「そうなんですかぁ…残念ですね」とだけ言った。私が残念に思う気持ちは本当だ。

一方で、Cさんとの間では、前回のブログに書いた、見学に来た○○さんのことが話題になって、「あの方、どういう方なんでしょうね」とCさんが言った。あーそれね、知ってるよ、調べちゃったもん。…でも、「ほんとにねぇー」とだけ返した。

1日にふたつ、本当のことを言わなかったことが、雨の帰り道、濡れた地面を見ながら妙にひっかかった。神様ごめんなさい、な気分でもある。

でも、私はそんなこと(本当のことを言わないこと)は、ちょいちょいやっているに違いない。今、私の脳が何も思い出すまいと抵抗しているけれど、実はべつに珍しいことじゃないはずなのだ。

本当のことを言うのが正しいってものでもない。

「今ここでこれそ明かしたら、わぁーっと話が盛り上がるだろうなー」と想像できるけど、だからこそ他の当たり障りのない話題にシフトさせる。特に、噂話を避けたい時ってそういうものだ。よね?

sakurai
書かなければ忘れてしまうようなことを書き、次の日には書いたことを忘れています。1960年代生まれ。♀。肩書不定。ただの「私」でありたいんだと青臭いことを言っても、読んだらわかるただの主婦。